2013-07-27

検索から読み解くインドネシアのネット事情(第二弾)

前回の 検索から読み解くインドネシアのネット事情(第一弾) に引き続き、
今回も検索エンジン、特にリスティングに関して書きます。


先日、Google Indonesiaがクローズド開催したのイベントでインドネシアのリスティング広告の伸びを発表しました。


前年比85%の伸び!!驚異的ですね。
まぁ、元が少なかったということもあるのですが(笑)



インドネシアで2年弱リスティングの運用していますが、ざっくり言うと、

・広告主はまだ少ない。(それでも2年前と比べれば増えているが)
・なので、CPCはまだ安い。
・CTRは日本に比べて若干高い

と言ったところです。



インドネシアで一番CPCが高いキーワードは何だと思いますか?


僕の知る限り最もCPCが高いキーワードは forex (日本で言うFX)です。

競合状況、Quality Score にもよるので一概には言えないですが、
プレミア枠に入れるなら、CPC $2.5~$4 程度は必要です。

3年ほど前、日本で FX のキーワードを買っていた時は、CPC 1,000円を超えていたので、
それに比べればまだまだ安いですが、インドネシアでもそこそこ高いCPCですね。


インドネシアからの forex の検索結果


しっかり11枠埋まってます。
「インドネシアの会社もしっかりSEMやってんじゃん」と思うかもしれませんが、ちょっと違います。


先ほどのキャプチャを分類してみました。






赤が 海外FX業者青がインドネシア国内FX業者 です。
*5位のFXCMは海外業者ですが、LPがインドネシア語なので国内でカウントしました。

11枠の内、インドネシアFX会社の広告は3社だけです。
海外のネットマーケ知識のある会社が全世界でリスティングをぶんまわしているのでしょう(笑)

ちなみに、All外為やJP21のような比較サイトは1社も出稿していません
比較サイトでGoogleの審査通すのが大変だから、と言う理由ではなく、アフィリエイトがないからですね。

インドネシアでは、申込はオンラインで完結できないため、各社もリアルな対面営業に重きを置いている状態です。
限られたインドネシアの証券業者だけに、miniロット口座をオンライン申込完結で許可していますが、ごく少数です。

FXに関してはまだまだ記事書けますが、マニアックになっていくのでこの辺でやめます(笑)
さらに詳細が知りたい方がいましたら、直接ご連絡ください。



リスティング全体に話を戻します。
forex の他にリスティングが過熱している業界は、

・EC
・OTA
・Flight

です。

EC KWs: toko online (online storeの意味)


国内EC会社の出稿が殆どです。
インドネシアで最もネットマーケに精通している人たちがいるのは、この業界でしょう。
この業界のリスティング運用はなかなか大変です(笑)
インドネシアでは、まだGoogle Shoppingもないので、Product Listingはありません。
Product Listingが始まればさらに競争が加速しそうです。



OTA KWs: bali hotel

こちらは、forexと同様にworldwideでサービスやっている会社の広告もあります。agodaとかbooking,comとか。
ローカルのOTAもここ数年、ローンチが続いています。代表的なものを紹介します。







ローカルOTAは agoda, tiket.com等の競合が強いため、苦戦しているようです。



Flight KWs: flight ticket


この業界も競争が激しいです。LCC、価格比較サイトが多いですね。



最後に、個人が思うインドネシアでのリスティングの展望を。

間違いなく言えるのは、SEMマーケットは大きくなる
今でさえ前年比 85% も伸びているが、同じくらいの伸び率で数年間は伸びると思う。
そして、業界内でいち早くリスティング含めデジタルマーケを活用した会社が急成長していく。
数年とは言わないまでも5年くらいで、ある程度勝負がつくのではないかと思っています。

また、Googleのサービスにも解決しなければいけない課題はたくさんある。
インドネシアで使えない機能が多い。サポートも十分とは言えない箇所もあるのが現状。

広告主、代理店、Googleがそれぞれ協力しあいながら、
「ネットで売上が激増した」「ネット広告代理店が上場した」などの話題が作れれば、
一気に火がつくと思っています。


(おまけ)Googleのイベント時にうちのスタッフと撮った写真。僕だけフレームに入れてもらえませんでした(笑)

2013-07-21

インドネシアのモバイル事情(第一弾)

今日はインドネシアのモバイル事情に関して。

いろいろな方から 「インドネシアのモバイルってどうなの?」 と聞かれることが多いです。
自分の中では答えるのが難しい質問の一つです。


理由は、

1) 移り変わりが激しい市場なのに、信頼できる最新のデータがなかなか出てこない。
2) 数値だけが独り歩きしていることがあり、誤認識を生むことがある。

2)に関して、例えば「インドネシアはFacebookアカウント数5,000万くらいで世界4位」とは言われているけど、
メッセンジャーだけ利用している人も多くいるため、実際にMarketing対象となる人はそんなに多くない、等。


こういう懸念はあるものの、インドネシアのモバイル事情に関して纏めます。
データソースは:Google, Mobile Marketing Association, Interactive Advertising Bureau


スマホ保有率(対人口)

*インドネシアの2012年データはまだありません。

割合から実数に直すと、
インドネシア 2011年:4,100万台
インドネシア 2012年:データなし

日本 2011年:760万台
日本 2012年:2,500万台

日本はデータでみると、 スマホ普及率はまだ低いですね。
東京いた時は半分以上スマホ使ってんんじゃないかって感覚でしたが、全国で見ると低いです。


こちらはGoogleから出された2013年初頭時点のアジア圏 スマホ普及率ランキングです。
(上のデータとはソースが違うため、同グラフ内でのランキングを参考にしていただければ。)


日本はなんと14カ国中11位

日本のスマホ率が低い理由は、
「ガラケーの機能が発達しすぎていて、スマホじゃなくてもガラケーでも不便なく使えるからではないか」ってGoogleの人は言ってました。
確かにそう思います。日本のスマホ市場はまだまだ伸びますね!!


スマホOSシェア(対スマホ保有者)

インドネシア 2011年
インドネシアはBlackberryが人気と言われていましたが、もうAndoroidが抜いてますね。
iphoneは高くお金持ちしか買えないので、シェアは低いです。
SymbianはNokiaです。2011年のデータなのでまだシェアは高いですが、2012年、2013年では激減しているでしょう。(今後はWindows Phoneに完全移行予定)

データ一番下にある「Don't know」という項目、「スマホ持っているけど何かわからない」って回答の割合です。
17%っていくらなんでも高すぎる(笑) 本当に彼らが持っているのはスマホなのか?って疑問もありますが。。。
けど、これはインドネシアらしいなって思います。ユーザーのリテラシーが高くないし、おそらく回答も適当に答えている部分もあるでしょう。


日本 2011年、2012年
iphone人気ですが、それ以上にAndoroidの伸びがすごい!!




もうちょっと深くスマホの使われ方を見てみます。


他メディアと比較した際のスマホの重要性

インドネシア 対 日本 2011年

インドネシアでは38%がTVより重要との位置づけ。
Prefer for reading news と Expect websites to be as easy to use as on computer が高いのは、
通信環境の問題、スマホ用のWebをしっかり作っている会社が少ないからでしょう。


インストールしているアプリ数

インドネシア 対 日本 2011年




日本の平均46に対し、インドネシアは13で 3分の1以下
これはBlackberryでのアプリの少なさが原因ではないかと。
今後Androidが増えてくれば、インストールするアプリの数も増えてくるはず。



スマホからのSNS利用頻度

 インドネシア 対 日本 2011年

こちらは、日本の2倍以上の割合でスマホ経由でSNSを利用している。
おしゃべり好き、共有好きのインドネシア人にはスマホでSNSを使うことはスタンダードのようです。

スマホで広告が認知されるスペース

 インドネシア 対 日本 2011年

以外にもインドネシアでも、Adwords Searchが最も広告として認知されているようです。
ちなみに Adwords Search は日本に比べて、CTRは高い傾向にあります。
CPCはKWsによりますが、だいたい1/5~1/10くらいですね。



まだ、日本と比較してインドネシアならではのデータはあるのですが、長くなったので今日はここまでにします。

次回はスマホでのオンラインショッピング事情について書きたいと思います。
それでは、また次回!

2013-07-13

インドネシアの広告市場

今日はインドネシアの広告市場に関することです。


インドネシア広告代理店協会は、今年の国内総広告宣伝費は 113兆ルピア(1兆1400億円) との予想を出しました。
日本の総広告費は 6兆円弱 なので、およそ 日本の5分の1 と言うことになります。



日本とインドネシアの主要な数値を簡単に纏めます。
(ソースはすべてWorld Bank、レートは現在のレート)

GDP

2011年 日本:$5.86T(世界3位) インドネシア:$846B(世界18位) 【日本はインドネシアの約7倍】
ユドヨノ大統領のマスタープランには「2025年までにGDPで世界10位以内に入る」があります。


一人当たりGDP

 2011年 日本:$45,902(世界22位) インドネシア:$3,494(世界123位) 【日本はインドネシアの約13倍】


GDP成長率

アジア通貨危機以降は日本よりインドネシアの方が高い成長率。


人口


2011年 日本:127M(世界10位) インドネシア:242M(世界4位) 【インドネシアは日本の約1.9倍】
インドネシアは小さい島に統計に入っていなそうな人もいる気がするから3億人くらいはいるんじゃないかな(笑)



GDPと広告費の日本-インドネシア間の差をみると、インドネシアの総広告費1.4兆円は妥当な数値に思えます。

GDPに対する広告費

日本 1.24
インドネシア 1.33



インターネットの広告費を比べてみます。

日本は 6兆円弱(5.89兆円)の内 約15%がインターネット広告費です。
額にすると 8,680億円。(電通の「日本の広告費」より)


一方、インドネシアは、、、データが見つかりません(笑)

ニールセンの昔の記事に

Only 0%-1% of those spending was allocated to digital media. 

 と書いてあるので、当時より今の方がデジタル出稿費も増えているとの推測の下、約1%程度 かと。
1.4兆円の1%なので、インターネット広告マーケットは 140億円程度 でしょうか。
うん、小さいですね(笑)


けど、今後このインターネット広告市場は劇的に伸びていくと思ってます。

・インドネシアの総広告費は毎年20%づつ伸びている(日本はほぼ横ばい) 
・ネット普及率が今は20%程度だけど、2015年には1.75倍の35%まで上がる予想(ボスコンレポート)


仮に2015年まで総広告費が20%づつ伸び続け、総広告費の中のネット広告の割合が 1%⇒5% に上がるとすると、

140億円×1.2×1.2×5= 1,008億円

大きくはないけど、小さくもないかなと。
現在、年間40億円程度の売上でインドネシア証券取引所(IDX)に上場している広告会社もあるので、
2015年にはネット専門広告代理店で上場する会社も出てくるだろうな。

2013-07-08

JKT48 Music Video から見るジャカルタの街

今日はネットマーケティングのことではなく、ジャカルタの街ってこんな感じ! って言うのをお伝えします。
たまたま JKT48 の Heavy Rotation の Music Video に、たくさんジャカルタの街の風景が使われているので、
ところどころをピックアップしながらいきます。

こちらがその Music Video。



1) 激しい渋滞[0:29]


ジャカルタは渋滞がやばいです。東南アジアで一番渋滞がひどいって言われています。
考えられる理由はいくつかあります。

・車が多い
2012年の新車販売台数は111万6230台(今年は120万台突破するかも、と言われています。)
ジャカルタで販売された車をジャカルタの道路に並べたら、入りきらないって話を聞いたことがあります。(うそかホントかは知りませんが。)

・交通マナーが悪い
 バイクは常に車の間を縫って走るので、車が左折する時なかなか左折できない。
 バスが好きなところで止まるので、止まるたびに渋滞を引き起こす原因に。
 大通りでも人が道路を横切るので、車は減速を余儀なくされることも。

・道路整備がされてない
素人から見ても、設計おかしいでしょ、って箇所は多々あります。
 主要道路に信号が少ない。
 中央分離帯にきれいな花壇があるので、右折・Uターン箇所が作れない
 高速と一般道が合流する箇所に公共バス専用レーンが重なる場合があり、カオス状態にw

5km移動するのに85分かかることもありました。(頻繁にではないですが、頻度は少なくないです)


2) ローカルバス[0:34]

ローカルのバス車内です。(KOPAJAとかMETRO MINIとかいくつかあります。)

バス毎に通る道は決まっているのだけれども、自由な場所で降りれます。道のいたるところで止まるので、これが渋滞の元になってます。



常に半身外に出して客寄せ 兼 運賃回収係をしている人がいます。


数回乗ったことありますが、Rp.2,000(20円)で乗れました。
スリも多いらしいので、乗る場合はお気をつけて。


3) パジャイ[1:44]


三輪自動車タクシー。遠くへは行ってくれませんが、小回りが利くので近い場合やタクシーがつかまらない時は便利。
日本人だとふっかけられることが多いので、値段交渉が必要。
だいたい最初の言い値の半額くらいが妥当。


4) Blackberry[2:04]


ちょっと良く写ってないので確かではないけど、彼女が持っている携帯はおそらくBlackberry.
今でこそAndroidがBlackberryを販売台数で抜いたと言われていますが、数年前まではBlackberryが圧倒的に強い国でした。
BlackBerry同士で使えるメッセンジャーBBM(BlackBerryMessenger)で友達と連絡を取ることがスタンダードでした。(今もまだBBMユーザー多いですが。)

個人的にはこの夏を期に、BB⇒Androidに急激に移行が始まると思っています。
理由は、
1) BBがこの夏 AppStore、GooglePlayでオフィシャルBBMアプリ(無料)を出す予定
2) チャットアプリ(LINE、WhatsApp、Wechat、kakao)などが流行り出している
3) BBのアプリが魅力的ではなく、Androidに魅力的なアプリがたくさんあることをユーザーがわかり始めてきた

iphoneは高いため(5の16Gで8万円程度)金持ちしか使ってません。


5) 移動式屋台[2:47]


インドネシア語では pedagang keliling というらしいです。
形態はさまざまで、天秤、手押し車、自転車、バイク等を用いてフルーツ、食事、氷、掃除用品、ガスボンベなどいろんなものを運んでいます。
これも道の左側を通るので、渋滞のもと。





6) バティック[3:25] *男の人が来ている洋服


インドネシアの伝統的な染色工芸。バティックのシャツは正装で、結婚式もバティックでいきます。
金曜日を「バティックフライデー」と言って、「みんなでバティックを着よう」と言った風習があります。
みんなが着ているわけではないですが、金曜日は他の日よりは来ている人が多いですね。
もちろん女性用もあります。



7) ojek[4:17] 


バイクタクシー。各地区にojekスタンドが点在しているのですぐに探すことができます。
また、道路を歩いていると、道を走りながら「ojek乗るか?」って言ってくる人もたくさんいます。
渋滞がひどいジャカルタでは、おそらく最も速い乗り物。運賃はタクシーと同じか、若干高め(日本人だからかな)。
僕は、毎朝ojekで通勤してます、速いので。最短経路を通るためにたまに道を逆走する時もあります(笑)



ジャカルタはいかがでしたか?イメージと違いますか~?
慣れれば結構快適に住めます。

ぜひ、一度来て見てジャカルタの雰囲気を味わってみてください。
(観光名所はありませんがw)

2013-07-05

検索から読み解くインドネシアのネット事情(第一弾)

前回のJKT48 vs Cherrybelle(第一弾)の投稿で、何人かの人から オタク って言われたので違うお題で書くことにしました。


前回はFBページに関する内容でしたが、今日は検索の傾向からインドネシアのネット環境を探ります。
GoogleAdwordsの個人認定をちゃっかり持っていて(Google Official Pageへリンク)、こっちの方が専門的だったりします。



まずは、使われている検索エンジン。

Google:95%
それ以外(Yahoo!、bing 等):5%

Google先生の一人勝ちですね。基本、Googlingです。



次に、インドネシアの検索ボリューム(Googleでキーワード検索される数)。
どれくらいだと思いますか?


昨日、Googleから聞いた数値は、30億/月 とのことでした。
この数値だけ言われてもピンと来ないですね(笑)

イメージしやすいようにちょっと計算します。

インドネシアの人口: 2.4億人
 内 ネット接続可能な人口:6,300万人

インドネシア人1日当たりの検索回数:1.58回

少ないですね(笑)
ちなみに2012年世界の検索クエリ数は 12兆(年間)です。


けど、実はこれはすごい伸びなんです。
半年前に聞いた時は、25億/月 って言っていたのです。
半年間で20%の伸び、驚異的です!!

ちなみに、インドネシアでGoogleを使って[Google]って言うキーワードの検索回数はこんな感じ。


「Googleって何だ?」ってGoogleで検索したのでしょうか(笑)
実際は、google map とかgoogle translate とかあるので、そっちの検索かと思いますが。



インドネシアの月間30億クエリで何が検索されているのでしょうか。
インドネシアに来たことない人には想像しにくいかもしれません。
というか、いても想像できません(笑)


2012年のインドネシア国内の検索キーワードランキング!(簡単な解説を付けました)


1.Gangnam Style 歌手
 全世界でヒットしましたね。いろんなところで音楽流れてました。


2.Noah バンド
 メンバーの一人が数年前にプライベートセクシー写真を流出させ刑務所行き。去年出所。

3.Tomcat 害虫
 去年、ジャカルタ市内で繁殖した害虫。僕も駆除スプレー買いました。

4.Coboy Junior バンド
 12歳~15歳で構成。「かわいい」で人気らしい。

5.Jokowi 政治家
 ジャカルタ州知事

6.Indonesian Idol
 インドネシアの人気TV番組。ここから未来のスターが生まれるかも。

7.Cherry Belle 歌手
 アイドルグループ JKT48 vs Cherrybelle(第一弾) を参照

8.Ayu Ting Ting 歌手
 ダンドゥットというインドネシアの労働階級者に人気の音楽歌手

9.Sukhoi 飛行機
 去年ジャカルタで落ちた飛行機。デモフライトで山に衝突、全員死亡約40人。詳細は闇の中。

10.Nenek Gayung 映画
 ホラーかつセクシーらしい。イスラム教だけどやっぱりエロは好きなのか(笑)

 

ちなみに、日本のランキングはこんな感じ。
1.金環日食
2.オリンピック
3.台風
4.ドラクエ 10
5.地震
6.ユーロ 2012
7.肺カルチノイド
8.金子哲雄
9.iPad mini
10.iOS 6

インドネシアは日本に比べてバンドや人を検索することが多いようですね。
ネットユーザーのボリュームゾーンが20代なので、彼らの関心毎がそのままランキングに反映されている感じですね。



第二弾はもうちょっと深い内容で、リスティングに関して書こうかと思います。

それではまた^^ 良い週末を!