「ネット普及率」に関しての投稿です。
日本であれば総務省など信頼性のある機関からのデータがありますが、
インドネシアでは出所によって数値にバラツキがあります(笑)
さまざまな出所からの数値をご紹介します。派生するデータも一緒に。
①The Internet's New Billion (THE BOSTON CONSULTING GROUP)
こちらはBCGのインドネシア内では良く知られているレポートですね。大手Webメディアがインドネシアネット普及率を説明する時もここのデータを使ってたりします。
ただし、難点はちょっとデータが古い。 Sep 2010に書かれたレポートなので3年前です。
インターネットユーザー数、普及率
インドネシアのネットユーザー数(全デバイス)
2006年:2,000万人
2009年:3,100万人 普及率:12%
2015年:9,400万人(予想) 普及率:37%
2015年で1億人弱まで増えればすごい成長ですね。
住んでる肌カンから言うとそんなに伸びないんじゃないか、って感じです。
Androidがさらに出回って、モバイル回線が整えば可能性はありますが。
インドネシアのPC台数、普及率
2006年:600万台
2009年:1,100万台 普及率:5%
2015年:3,800万台(予想) 普及率:15%
うーん、PC普及台数少ないですね。。。
ジャカルタのオフィス行くと普通に1人1台PC使っているので、こんなに普及率低いものか と疑いたくなりますが、訪問先はみんなネット系の人たちだからかな(笑)
インドネシアのモバイルSIMカード数、普及率
2006年:6,900万枚
2009年:1億6,600万枚 普及率:66%
2015年:2億7,400万枚(予想) 普及率:107%
こちらはモバイルユーザー数ではなく、SIMカード販売枚数です。
1人で数枚使う人も多いので、ユニークユーザー数はもっと少ないです。
インターネット利用目的
他国と比べて特徴があるところをピックアップすると
1. Social networking (58%)
SNS大国です。FBは世界4位、TWは世界5位のアカウント数です。ジャカルタは世界で一番ツイートが多い都市だそう。
2. Forum (33%)
昔のブログにも書いた、Kaskusの威力が大きいかと。 CtoC での売買がされていたり、日本の2ch見たいなスレッドがたくさんあります。ちなみにjkt48で検索すると、1,500以上のスレがあります(笑)
3. Job hunting (20%)
LinkedInがビジネスマンの間で浸透しています。インドネシアでは240万人の登録数です。(SE Asiaで最大)
②Internet Media Habits Decoded (Yahoo! Indonesia)
こちらはネット普及率ではなくメディアリーチのレポート。2009年のデータなので古い & ネット会社のレポートなので楽観的に見ているところも多い気がしますが、参考までに。
性別・SES別 メディアリーチ
なんと、A1層へはRadioよりインターネットが上だと。
というかテレビ最強(笑)
年齢別 メディアリーチ
15-19歳は新聞よりネットの方がリーチできる。
どこの国も若者の新聞離れはあるみたい。
ちなみにRadioのリーチ率が高いのは、ジャカルタのひどい渋滞の中で車内でラジオを聴く人が多いから。
③International Telecommunication Union
こちらはデジタルデータだと世界的に有名な機関で、よくソース元になっています。ネット普及率
こちらのデータではBCGよりも低い数値ですね。
2009年 BCG 12%に対して ITUでは 7%。
ちなみに2009年のITUデータのソースは Ministry of Communication and Information Technology だそう。
うーん、何でこんなに開きがあるのだろう。。。
④Mark Plus
インドネシアの最大手マーケティングコンサルティング会社。創業者のHermawan Kartajaya はコトラーと一緒に「MARKETING 3.0」を執筆した人。
ネット人口
2011年で5,500万人がネット利用で全体のの22.1%。
ITUが同年18%なので、ここでも若干開きがある。。
最新データ2012年は6,100万人がネット利用者。割合にして25%。
⑤eMarketer
こちらは世界中のデジタルデータのマーケットリサーチをしている会社。ネット人口、普及率
2011年データで43Mの17.5%。ITUの18%とほぼ同じ。
2012年データは約60Mで24%。こちらはMark plusの12年データ61.1M、23.5%とほぼ同じ。
2015年予想はBCGの94Mの37%とほぼ同じで、93.4Mの36.5%。
スマホ人口、普及率
先のBCGはSIMカード販売台数でしたが、こちらはスマホの販売台数です。
2013年は3,800万台で人口の15%が利用予想。自分の想像より高いです。
⑥Google
ネット人口、普及率 2012年 5,840万人(24%)
スマホ人口、普及率 2012年 2,160万人 (9%)
Mark plus, eMarketerのデータとほぼ同じ。どうやらこの近辺の数値が信憑性あると言えそうな感じです。
⑦comScore
ネット人口、普及率 2012年 4,700万人(19%)
他と比べて若干低いですね。インドネシアであれば5%は誤差の範囲内と言っちゃいそうですが(笑)
comScoreは面白いデータも出していて、インドネシアのDisplayAdのKey Measuresがあります。
最新の Jul 2013 のデータより。
TOTAL UV 1,362万。
つまり今年の7月はディスプレイ広告で1,362万人にリーチできたということ。
総人口で割り戻すと5%。。。うーん、少ない(笑)
ディスプレイだけではなく、サーチや動画の広告もあるのでデジタルでのリーチはもっと高いけれども。
参考までに、上記の1,362万UVのうち、Googleがカバーしている数は1,228万人 (90%)。
圧倒的な強さです、Googleは。
⑧おまけ ネット接続スピード (Akamai Report)
2012年で6,000万人くらいがネットに接続しているインドネシア。
インドネシアでネット接続したことがある人はほとんどが「ネット遅いな~」って言ったことあると思います(笑)
どれくらい遅いかを Akamaiのreportからデータで見ます。
Akamaiは世界最大手のコンテンツデリバリネットワーク (CDN) で全世界のトラフィックの15%~30%くらいさばいているとか。
Avg. Connection Speed
日本平均 11.7Mbpsに対して、インドネシア1.5 Mbps。平均およそ8分の1のスピード。Broadbandの割合
> (左)10Mbpsの割合:日本43%に対して、インドネシア0.2%
> (右)4Mbpsの割合:日本79%に対して、インドネシア3.7%
やはりインフラが貧弱ですね。
インドネシアのネットサービスの成長スピードはBiznet、FirstMediaにかかっているかもしれません(笑)
まとめ
長くなりましたが、纏めます。2012年 インドネシア ネット人口は約6,000万人(全人口の24%)
2015年には1億人弱まで伸びる予想
インドネシアのデータはソースによってまだ数値のばらつきが多い。
誤差を許容する寛容な心が大事かもしれません(笑)