2014-07-19

インドネシアの3年後(2016年)未来予想(インターネット関連)

久しぶりのエントリー。
今まではインドネシアの"今"にフォーカスしてきましたが、
"先"を読むことの方が大事なので今日は"未来"に関すること。

これから述べることはすべて個人の見解(+若干の希望)ですので、あしからず。
(過去・今のきちっとしたデータを知りたい方は、昔のエントリーを参照ください。)


まずは現状をざっくりと。



【2011年10月】
僕がインドネシアに来たのは2011年10月。振り返ればまさに創世記だった。
モバイルデバイスはBlackBerry主流で、チャットはBBM。 Facebookは流行っていたけど、こちらもMessengerがメイン用途。
インフラも脆弱で、金曜の夕方はモバイル回線が混みあって携帯使えないこともしばしば。3G接続でYoutubueなんて動画カクカクどころか、TOPページも開かないじゃないか!って感じ(笑)
ネット広告も一部の獲得系のサービサーがPPC運用していた以外は、ほぼ純広告。パフォーマンスは殆ど気にされず、有名メディアの右上のレクタングルに載っていることがステータスのような感じ。

【2013年2月】
上記のスライドの「拡大期」の始まり、と言った感じ。
モバイルデバイスは一気にAndroidに移行。(AndroidでBBM使えるようになった、安いAndroidが出回ったから) それに伴い、BBMよりもメッセージを楽しめるLINE、広告がないWhatsApp、他にはWechat、Kakao等出てきた。
ECも総合モールだけではなく、よりセグメントされたサービスが勢力を徐々に増してきた。(ベビー用品、靴、ムスリムファッション、FMCG 等)
それに伴い、PPC広告の需要が徐々に増えてきた。クライアントは如何に安くCV取るかを意識し始める。

【2014年7月(今)】
上記スライドの「拡大期」の中盤、「成熟期」がちょっと見えたかな、と言ったところ。
インフラはLTEの出現、都心部では3Gの高速化・安定化。(3GでYoutube見れることが多くなった)
決済も、サービスによっては銀行振込とクレカの割合が半々くらい。モバイルトランザクションの(僅かな)拡大。
広告で言えばDSPの出現、リスティングのCPC高沸 等。





ここから、未来の話。


【1】ユーザーの購買行動変化


今、リアルで買われているものが、徐々にネットでのトランザクションに変わっていくことはもちろんだが(これ自体は流通経路が変わるだけでの話し)、それよりも重要な「消費の底上げ」が期待できる。

①より自分に合った広告が配信されることで購買意欲が掻き立てられ
②掲示板・Youtube等で専門家の意見が聞け・知れることで購買意欲が固くなり
③今まで通り店舗で購入/比較サイトやフラッシュセールで安く買う方法を見つけ
④買った後はSocialでレコメンドし(これは①につながる)、またFSPでLTVが上がっていく

テクノロジーによって、流通だけではなく、購買行動が変わっていく。


【2】スマートフォン環境


2016年にはスマホの普及率は1億台になっている。(70%以上がAndroid) iPhoneは引き続き金持ち層が持つ。 BBは右肩下がり(いたしかたない)。
また、スマホ Webブラウザでのトランザクション、アプリ内でのトランザクションは増えていく。
業種によってはPCよりモバイルからのトランザクションが多くなる。

より生活に密着した端末(Google Now、Android Wear、Android Auto、Android TV、Amazon Dash 等)は、まだ使われない。理由は、3Gが安定しない(ウェアラブルは安定して繋がってないと意味ない)、固定回線のスピードが遅い(その割に高い)、交通インフラの未発達 ため。

都市部の地下鉄はまだできていないため「電車の時刻表」は存在しないし、
公共バスの時刻表はあってないようなもの(渋滞に左右されて全く時間読めない)、
Google Mapが機能しない(目的に住所入れると、間違った情報が表示されることしばしば)、
等からデジタルスマートライフとかM2Mとかはまだまだまだ先


 【3】ネットマーケティング(キャンペーン、広告費)


日本より数年遅れでそれぞれのサービス/概念が発展、浸透していく。
外資系代理店、ブランド先導で新しいチャレンジを行い、結果で出たところでインドネシアのブランド着いて来る。

ネット広告費は、

①インターネット普及率の継続的拡大(2016年には1億2千万人がネット接続
②マス広告費⇒デジタルへのシフト(2016年の総広告費に占めるネット広告比率は8%に上昇)
③総広告費(マス含む)の継続的拡大(2016年には総広告費1.6兆円に拡大)

が重なり、毎年倍増する。


【4】ネットマーケティング(検索、ディスプレイ)


検索は獲得系クライアント増加により、CPCが年々高沸していく。(顕著に上昇する)
モバイルからのクエリ数が増加し、場所・時間・デバイス 等に対して最適化するようになる。

バナーはGDNの一人勝ち。圧倒的な在庫シェアを握り続ける。
純広告は効果が悪いことが徐々に浸透され、値下げられたり、Imp保証を始めたりする。

一部のブランドの中がアトリビューションモデリングを行い始め、3PASによるDMPでの配信が始まる。


以上、未来予想。
繰り返しになりますが、個人的な見解なので、実際は全く違う環境になったとしても責めないでください(笑)



【まとめ】
ネットテクノロジーによって、近い将来消費者の購買行動が変わる。(徐々に)
3年間で「人・もの・金」の流れは、より日本、中国のそれに近くなる
インフラ整備が成長スピードの鍵を握る。