2013-12-30

インドネシア 2013年のインターネットマーケティング 振り返り

12月下旬ということで、勝手に自分の中で今年のインドネシア ネットマーケティング のトピックを纏めます。
完全に個人的な見解なので、偏ったトピックをピックアップしているかもしれませんがあしからずご了承ください。


① Google
まずは、一番お世話になったGoogleから。

・Enhanced campaign強制アップグレード


インドネシアのみならず全世界でのアップグレードでしたが、大きなトピックでした。
デバイスごとにキャンペーンを分けて運用していたので、纏める作業が発生し7月はバタバタしました。

 エンハンストの強みはと言えば、「地域・デバイス・時間」によって自動的に入札を最適化する機能のはずが、当時インドネシアでは地域ターゲが使えなかった。。。
それなのに強制的にアップグレードするGoogleをみて、「あー、Googleだなぁ」って思いました(笑)


・地域ターゲ機能を実装

11月にようやく地域ターゲ(都市ベースとRadius ターゲ)が使えるようになりました。
正確に言うと、今年の最初は使えてたのに途中でGoogleがサービス提供をしなくなり、それが復活した形です。
使えていた機能を何のアナウンスもせず停止するGoogleをみて、「あー、Googleだなぁ」って思いました(笑)



・オフィス移転

11月末にGoogle Indonesiaがオフィス移転しました。
サービスオフィスにいたのですが、ようやく希望の場所が空いたようで、いい場所に引越ししました。
Google Singaporeに比べるとクオリティは低いですが、インドネシアの中だとかなり手の込んでいるオフィスです。

今までは、インドネシアのオフィスよりシンガポールのオフィスのインドネシア担当チームの方が圧倒的にスタッフ数が多かったのですが、今後はオフィスが広くなったのでインドネシアに集約してくるようです。
サービスクオリティが上がることを期待です。


・KOMPAS が Google に在庫を流す用になった

インドネシアの最大手Webメディアの一つのKOMPASが今年の初めからGoogleに在庫を流す用になりました。
プレースメントレポートを作ってた時、"kompas.com"を見て小躍りしたのを今でも忘れません。



②Facebook
広告周りは、メニューが変わったり、推奨フォーマットが変わったり (変わりすぎだけどw)、ダッシュボードのUIが変わったりしたけれど、そんなに大きな変化はありませんでした。

しかし、2013年 インドネシアでFBのユーザー離れが気になりました。
2012年11月を期にユーザー数が減少に転じているようです。

今まで Facebook Messenger を使っていた人たちは LINE へ、
コミュニティ形成は Path へ、と流れた人が少なくないのでは、と思います。


ユーザーが流れたと言ってもやはり FacebookがNo.1 SNS であることは間違いないので、ユーザーの動向をつかみながらマーケティングに活用する必要があります。



③Twitter
2012年11月末に Komli が東南アジアで独占パートナーになりましたが、2013年たくさんの広告が入っている印象は受けませんでした。


理由は下記2つだと思います。

1.最低出稿金額($20K/2カ月)がインドネシアの広告主には大きすぎる
2.140文字でユーザーとコミュニケーションを取る方法に苦戦し、それであればFacebookに集中する

CVIも今年Twitterのキャンペーンをいくつか行いましたが、
ウォールの流れが速い中ユーザーとコミュニケーションするのはFacebookより難しかったです。
インドネシア語は単語に必要なアルファベット数が英語より長いので、1回のtweetで少しのメッセージしか伝えられません。

また、今の広告管理画面はとても使いにくいので早急な改善と、
アメリカ・カナダでオープン広告プラットフォームになっているように、早くインドネシアでもSMBに対し開放が期待されます。


④Blackberryの衰退

数年前まで「インドネシアのモバイルはBlackberryが主流だ」と言われていましたが、
今はすっかりAndoroidに染まってしまいました。

 (参考:Techinasiaの記事はコチラ

Blackberry Messenger(BBM)をメインとしてBBを使っていたユーザーが、
安価なAndoroidでも様々なMessengerアプリ(LINEやkakao)が使えることに気づいたり、Andoroidの魅力的なラインナップに魅かれたり、で移って行きました。
また、秋にはiOS・AndoroidでのBBMアプリがリリースされ、もうBBを持つ理由はなくなってしまったように思えます。


⑤日系インターネット企業の動き(広告・マーケ関連事業のみピックアップ)

2013年も有名な会社が次々にリリースを出しました。
*抜けてたらごめんなさい。ご指摘いただければこっそり追加します。

・Adways Indonesia
日本初!アドウェイズ、インドネシアにてPC・スマートフォン対応アフィリエイトサービス「SmartDriver」を提供開始 (2013/09/04)  リリースはコチラ

アドウェイズ、スマ―トフォンアプリ向け広告配信サービス「AppDriver」を東南アジア全域で提供開始(2013/10/01) リリースはコチラ


・MicroAd Indonesia
MicroAd Indonesia Establishes A Local Subsidiary “MicroAd BLADE Indonesia” Launches Ad Platform Business In Indonesia(2013/10/22) リリースはコチラ


・Interspace
INTERSPACE, A LEADING ONLINE ADVERTISEMENT COMPANY FROM JAPAN, WILL START AN ONLINE MARKETING PLATFORM ACCESS TRADE IN INDONESIA(2013/09/20) リリースはコチラ


・Irep
アイレップ、初の海外現地法人 インドネシアに子会社設立
「PT.DIGITAL MARKETING INDONESIA」、8月20日より営業開始へ(2013/08/19) リリースはコチラ


・CyberBuzz
インドネシアの現地法人 PT. Bina Blog Indonesia 設立に関するお知らせ(2013/08/21) リリースはコチラ


・Excite
エキサイトがインドネシア現地法人を設立し、営業開始へ(2013/06/25) リリースはコチラ


・Realworld
リアルワールドグループ インドネシア法人「PT Situs Karunia Indonesia」
インドネシアにてオンラインポイントサービスを開始(2013/03/13) リリースはコチラ


・Transcosmos
トランスコスモス、インドネシアでコールセンター事業を開始(2013/06/14) リリースはコチラ


・Criteo
Criteo pursuing further growth in Southeast Asia via hub in Singapore(2013/12/02) リリースはコチラ *SINオフィスですが、インドネシアでもサービス開始



インドネシアに来て早二年、動きは遅いけれども、広告主・サービサー・ユーザーすべてがデジタルシフトしています。
2014年はどんなトピックが起こるだろうか、楽しみです。

ブログ読んでいただきありがとうございました。
それではまた来年、良いお年を!

2013-11-25

ディスプレイ広告から読み解くインドネシアのネット環境(第二弾、アドネットワーク編)

以前に、インドネシアのディスプレイ広告のざっくりした内容を書きましたが、今回はAdNetwork・AdExchangeに的を絞ったエントリーです。
以前の記事はこちら、ディスプレイ広告から読み解くインドネシアのネット環境(第一弾)


【アドネットワーク】

①Google Display Network




圧倒的なインベントリーシェア、クライアントの多さです。やはりGDNは一番最初に書かなくては。

ComScoreのデータによると、インドネシアのTOTAL Internet Audience(1,360万人、2013年7月) の内、1,220万人(89.7%)はGDNでリーチが可能とのこと。すごいですね。

GDNの強みは、
1) 圧倒的なリーチ
上記の通りです。日本では考えられませんが、最大手 Online MediaのTOPページにもばんばんGDNからの広告が配信されてます。それだけ純広告が売り切れてないということですが。

2) CPCが安い
他アドネットワークに比べてCPCが安い。ADXに在庫をはいているとは言え、インドネシアのADNWは日本・アメリカみたいに数多くのプレーヤーがいるわけではないので、DSPのマシーンラーニングで最適化するより、Adwordsから直買いした方が安いです。(今は)

3) 細かいターゲティング設定、レポート
DSPでないため、ほとんどは手動で設定しなければいけないのですが、それであるが故、細かいターゲティング設定が可能です。
おなじみの、Keywords、Topic、Placement、Interest、Remarketing、Demographicだけでも細かくターゲティングできますが、ベータ版メニューを使えば、Affinity Segments、Search Plus など魅力的なターゲティング機能があります。

4) Remarketingリストが扱いやすい
Tag Base, Rule Baseの2通りありますが、リストを作るにあたり組み合わせは自由自在なのでいかようにも1stPartyデータでセグメント可能です。
また、Analyticsからのリマケリスト共有、Tag Managerでの管理など、使いやすくなってますね。

5) デバイス(PC・Tablet/Mobile)出し分けが可能
初めてEnhancedのことを聞いた時、「デバイスターゲできないんじゃないの?」って不安がよぎりましたが、Mobileは引き続き切り分けられるので出し分け可能です。
ブランドにもよりますが、ECや金融の獲得系ブランドの場合は、モバイルからCVは上がらないですね。

GDNの特徴はまだまだたくさんあるのですが、マニアックな話になっていくのでここで終り(笑)


②AdPlus

インドネシア国内有名ADNWの一つです。
先のComScoreのデータによると、600万人、45%のユーザーにリーチ可能です。

特徴は、リッチバナークリエイティブ
AdPlus TV、Video Edgy、Story Boardなどのメニューで、映像や音を盛り込みながらバナー表示します。
CPM買いのみですが、平均CTRからCPC割り戻すとGDNよりかなり高め。
GDNとは使う目的が違うので、一概には比べられないですが。

AdPlus TVのサンプル



③ SITTI


こちら、インドネシアの会社がやっているContextual Targetingです。
あまり有名ではないですが、テクノロジーに強みがあります。

インドネシアの会社なので、インドネシア語のテキストマイニングの精度が高いです。
おそらく、インドネシア語に関してはGoogleより精度がいいと思います。

例えば、キーワードが「XL」の場合、インドネシアでは2通りの意味があります。
ⅰ) XL: 大手モバイルプロバイダ
ⅱ) XL: 大きいサイズのXL

SITTIはこういった複数の意味が取れる場合は、前後の文脈からどちらの意味で使われているかを読み取り、広告を出し分けます。いや、出し分けると言われています(笑)


キーワードの関連性も分析し、クラスタ化してターゲティングに使えるようにもしています。


個人的に注目している会社の一つです。


【DSP】

④Innity


Malaysiaから始まった東南アジアでは最も有名なネットワークの一つです。

東南アジアのほとんどの国をカバーしています。

去年、日本のDACのPLATFORM ONEと資本業務提携しています。
リリースはこちら⇒ DAC、東南アジア最大級のアドネットワークを運営する Innity(イニティ)と資本業務提携

リリースを読む限り、Market One RTB、YIELD Oneプラットフォームの提供ですね。

Innityの強みは
1) ネットワークのインベントリーの多さ
カバーしている国のTOTALで、配信可能なwebサイト1万以上、月間ユーザー訪問数5,000万人月間20億Imp以上あるとのこと。

2) Platform Oneのプラットフォームが使える
日本の最先端のアドテクノロジーをすぐに東南アジアで利用できるのはいいですね。
P-Oneの裏にはIponWebがいると思うので、世界最先端のテクノロジーと言ってもいいかもしれません。
プラットフォーム・ワン、IponWeb と合弁会社を設立

Iponwebはロシアの会社で20以上の国の40以上のプラットフォームのテクノロジーパートナー。


⑤Komli

Innityと同様に、東南アジアで有名なネットワークの一つです。
去年ADMAXを買収しました。
Komliは使ったことないので、どんな機能・特徴があるかわかりません(笑)
けど、おそらく一般的なDSPの機能はすべて備えているかと。違ったらすみません。

ディスプレイとは関係ないですが、東南アジアでのTwitter広告販売ライセンスを持っているので、そこは強いですね。



最後に、インドネシアのアドネットワーク、AdExchangeに関して個人的な今後の展望を。

数年間(あるいは、ずっと)、Google Display Network が圧倒的なシェアを取り続けると思う。
理由は3つ。

1)インベントリーが多い、しかも圧倒的に
こちらは上述の通り。

2)GDNの機能が進化し続けている
リッチクリエイティブに関しては、Googleのベータ版メニューで既に出てきている。
GDNのバナー枠に、インタラクティブなクリエイティブを表示できるし、動画も流せるようになっている。
最適化に関しては、(一応)最適化ツールがある。Conversion OptimizerやDCO等。(現段階の精度は別として)

また、より高度な運用・よりリッチなクリエイティブを求めるなら、DoubleClickの第三者配信を行えばいい。(値段は高くなるけど)

3)DSPが流行る程、状況は複雑化してない
ADNWの数が多いわけではなく、また彼らが独自のインベントリーを持っているわけではない(ほとんどがGDNと同じ)なので、どんなにかしこい配信エンジンでも最適化は微々たるものではないかと。
もちろん、Imp毎の入札で配信主と配信先のマッチングを行うので n対n の数が大きくなればなるほど最適化される可能性はあるけど、その日はかなり先だと思う。AdExchangeに使われる、Googleの在庫の質もやはり気になるところ。


日系ネット企業でも、MicroAdのBLADEアドウェイズ・インタースペースのASPなどサービスローンチをしており、如何に在庫を囲って、在庫の価値を高めていくかと言った勝負になりそうですね。

2013-11-09

インドネシアのデジタルキャンペーン 第二弾 (AQUA)

前回の CLEAR のキャンペーン(詳細はこちら)に引き続き、今日もインドネシアのデジタルキャンペーンの事例をご紹介します。

インドネシア No.1の飲料水ブランド AQUA のキャンペーンです。



ブランド: AQUA
メーカー: Danone
キャンペーン: it's in me



Facebookをプラットフォームにして、コンテンツをYoutubeで配信しているキャンペーンです。
Toni(上記ビデオに写っている人)が、ある日健康な生活を悟り、体にいいことをYoutubeに動画でアップしていく、といったもの。
全30ムービーあり、かなり手がかかっているものと思われます。
また、それぞれの動画テーマに関連する個人で撮った写真をユーザーがAQUAのFacebookに投稿できるユーザー参加型キャンペーンです。

健康的な生活を悟った時を描いている、キャンペーン最初の動画はこちら。



Facebook、Youtube の使われ方は下記の通り。
【Facebook】
・オリジナルアプリを使用し、Youtube動画をアップロード。
・ユーザー参加型キャンペーンで、ユーザーは写真をAQUA FBにアップロードできる。

【Youtube】
・動画アップロード用


もう少し細かくみていきます。

・Youtubeの30本動画の各動画再生回数

動画によって再生数に大きな違いがあるのは、コンテンツのおもしろさではなく、どれだけ広告予算を投下したかだと思います。特定の動画に対してだけ True View 広告をうっていたようです。

下記はたまたまあたったTrue View広告のキャプチャ。


View数から逆算すると、TrueViewに100万円~150万円くらいの投下かなぁ。


・Facebook内で各動画に対する「Toniに同意ボタン」が押された数
少ないですね。。。

・Facebook内、ユーザーによってアップされた写真の数
 21枚
こちらも少ないですね。。。

・Youtube Channel Subscriberの数
 975人
こちらも多くない。。。


個人的には、キャンペーンコンセプト、コンテンツはしっかりしているけれどもキャンペーン参加者、各アクション数は少ないと思います。


理由は、プラットフォームの使い方がインドネシアの環境にあってないからかなと。

・Facebookアプリを開けるネット環境にいる人の絶対数が少ない
 ⇒タブレット、スマホからのアクセスだと、FBアプリは見れない。PCからのみ閲覧可能。
  PC保有台数は2,000万台くらいのはずなので、やっぱり絶対数が少ないな、と。

・Facebookアプリは重い
 ⇒インドネシアの貧弱なネット回線でFBアプリを開くのは結構大変です(笑)
  読み込みにかなりの時間がかかるので、離脱も多いはず。

・Youtube Channelに工夫がない
 ⇒チャネル自体きれいに作られてますが、一般的な機能しか使っていません
   30本動画を上げTrueView広告もうつのであれば、ブランドチャネルにしてカスタムガジェットを実装したいところですね。

 Youtube Channel TOP



it's in meキャンペーンの広告出稿に関しても見て行きましょう。

自分があたった広告は、
・Youtube TrueView(上記の通り)
・ADNW
・Facebook Ad
・ビルボード(高速道路沿い)
です。

ADNWは下記にキャプチャをアップします。(右下が広告)

クリエイティブの形式 から推測すると、ADPLUSの Story Board のメニューかな。
なかなか渋いメニューを使ってます(笑)


キャンペーン時期に関しては、初のジャカルタマラソンに合わせてきているようでした。
AQUAはジャカルタマラソンオフィシャルスポンサーになっているので、キャンペーンをうつのにちょうどいい時期ですね。

ジャカルタマラソン用のビルボード広告(キャンペーン告知のものではないですが)


最後に、本キャンペーンに対する個人的な見解を。

前回のCLEARのブログ(詳細はこちら)でも書きましたが、

海外で成功したからと言ってそれと同じキャンペーンを実施しても、インドネシアで成功するとは限らない

と言うことです。
インフラが貧弱で、ユーザーのネットアクセスするデバイスも特殊な環境なので、
コンセプトは同じでも 仕組みはローカライズしないとクライアント・代理店の自己満のキャンペーンになりがちです。

最近は大手広告主がデジタルキャンペーンを積極的にうつようになった気がします。
また、何かおもしろいキャンペーンがあったらブログ書きます。

2013-10-23

インドネシアのデジタルキャンペーン 第一弾 (CLEAR)

今日は広告メニューではなく、インドネシアのデジタルを用いたキャンペーンを紹介します。

インドネシアはネット普及率 25% しかないので( 詳細はこちら )ネットを用いたキャンペーンは日本に比べると圧倒的に少ないです。

そんな中、今大々的なキャンペーンをやっている CLEAR のキャンペーンをピックアップ。

まずは、CLEARの基本情報から。

ブランド: CLEAR ( http://www.clear.co.id/ )
会社: Unilever
商品: シャンプー、コンディショナー、ヘアトニック (男性用も女性用もそれぞれ商品あります)



インドネシアでも Unilever は先進的なキャンペーンを行っています。恐るべし Unilever です。


今、CLEARが行っているキャンペーンは、
AYO INDONESIA BISA
と言う名前のものです。

(キャンペーン用マイクロサイト)


ざっくり言うと、ユーザー参加型のキャンペーンで、参加者が協力してゴールを目指し、ゴールしたらサッカーのインドネシア代表のために MANCHESTER UNITED のコーチを呼ぶと言った内容です。

様々な方法でコンテストポイントをため(後述)、そのポイントをCLEARグッズやサッカーグッズと交換します。上記キャプチャ真ん中の数字は交換されたポイント数です。
この数が2400万まで行くと最終ゴールです。

また、参加者全員の合計ポイントの途中経過に応じて、GALAXY、i Pod touch のガジェットが数名にプレゼントされます。


細かく見て行きましょう。

まずは、サイト遷移から。


①Microsite TOP

1stViewに参加者全員の合計ポイント数が表示され、すぐに最新の数値が追えるようになっています。
グローバルナビ、マイページログイン導線など 必要な情報はすっきり纏められています。


②既存ユーザー用ログインページ

こちらは普通のログイン画面なので、省略。


③新規登録画面

比較的軽い内容のフォームです。プレゼント発送があるため、名前、住所、電話番号は必須になってます。また、マイページ用にメアド(ログイン用)とパスワードも必須です。

④MyPage

マイページ内では自分が持っているポイント数、新たにポイントをためる方法への導線があります。


⑤ポイント交換

自分が獲得しているポイント数に応じて、プレゼントと交換できます。
豪華賞品(上の4つ)は抽選、下の商品は先着です。



次は、ポイントを貯める方法に関して。全部で4つ。
オンラインのアクティビティだけではなく、オフラインの方法もあるのが興味深いです。

①商品(シャンプー)についているコードを入力

②友達紹介

FB,TW,G+,Gmail,Y!mailで招待状を送るか、生成されたリンクを共有する方法があります。

③グループで写真、動画をアップロード


テーマ、ファイルフォーマット(写真/動画)によってもらえるポイントが変わります。

④個人で写真、動画をアップロード

③のグループ同様、アップ内容によってもらえるポイントが変わります。



キャンペーン内容、マイクロサイトの作り共に凝っているなぁ、と思います。
また、デバイスもiOS,Android,BBには対応しております。


最後に、集客に関して。

◆SNS
既存のTWとFBアカウント内にて大々的に告知しています。

Twitter(Followers:33,113)


Facebook(Like:4,503,388)

FBはLike Adを強くうっていたようで(自分も広告が何回もあたりました)、急激にLikeを増やしたと思われます。
Social BakersではLike数推移が追いきれていないようです。なんでだろ。。



◆広告
自分が当たった広告は下記の3種。あたってないだけで、もっといろんな広告うってるかもしれません。

・FB Like Ad(前述の通り)
・Google Display Network
・Youtube Masthead

Youtube Mastheadはムービーをキャプチャしたのでアップします。




ちょうど本日10月23日に目標の24Mポイントを達成していました。
何人が参加しているのかわかりませんが、24Mポイント達成はすごいですね。
2期間でポイント合計数を比較した結果、毎日50万ポイントくらいの勢いで伸びていました。


最後に、インドネシアでデジタルキャンペーンをしかけるにあたり、個人の見解を。

注意すべき点
①モバイルデバイスをどこまでカバーするか iOS? Android? BB? Nokia?
②マイクロサイトの容量の軽さ (ネット通信速度が遅いので)
③スパムへの対策 (特にFB・TWで参加できるキャンペーンの場合、過去の経験から)
④リアルと結びつけるしかけ (ネット普及率は25%しかないので)

US、日本で流行ったからと言って同じ方法でインドネシアでそのキャンペーンが流行るとは限りません。
ローカライズが必要です。

また、何かおもしろいキャンペーンがあったらブログ書きます。

2013-10-06

ディスプレイ広告から読み解くインドネシアのネット環境(第一弾)

検索に関するブログは過去にいくつか書いていましたが、ディスプレイは書いていなかったので
今日はインドネシアのディスプレイ広告(バナー広告)に関するエントリーです。


参考までに、過去に書いた検索の記事はこちら。

検索から読み解くインドネシアのネット事情(第一弾)
検索から読み解くインドネシアのネット事情(第二弾)


まずは、ディスプレイ広告の全体像をざっくりと。

昔のエントリーで インドネシアのネット広告費は140億円程度(詳細は コチラ)と書きましたが、
個人的な見解では、このネット広告費の殆どはディスプレイ広告に使われているのでは、と思います。

検索広告もようやく特定の業種で広告主が増えてきた状態ですし、
アフィリエイト、ポイントサイト、リワード等もまだまだこれからの環境だからです。


ディスプレイ広告を 純広ADNWに2分してそれぞれ詳細を見て行きましょう。


純広告 

インドネシアの大手ローカルメディアは存在しますが、日本のようにレップはありません
そのため、買付時は媒体と直接やり取りをするのですが、彼らも動きが速いわけではなく
メディアガイド・料金表を出させるのも 一苦労することがあります。

昔あった一例を記すと、

1.こっちでプランニングしたいから各メニュー面の料金表が欲しいと言ったら、
  「基本的にそういう取引はしてないから、クライアント情報と予算を教えてもらえれば媒体側でプランニングする」
  との回答。
2.言われた通り、クライアント情報と予算を伝えると、平気で予算超えの提案をしてくる(笑)
3.「予算超えてるじゃん」と指摘をして予算内のプランを再度出させる

と言うようなやりとりもありました。この①~③までに3日くらいかかりました。。。


インドネシアで有名な純広メディアを2つご紹介します。

Alexaランキング8位の detik と、12位の kompasです。



◆Detik.com ( http://www.detik.com/ )



インドネシア最大級のニュースサイト。CT Corpグループ。
ニュース、金融、自動車、女性など様々な切り口でサブドメインを切っている。

PV: 140,023,714 (Jan/2013)
UV: 36,704,829 (Jan/2013)

広告料金はもちろん面によって違いますが、参考までに Detik TOP の Showcase Ads 1(Yahoo!でいうブラパネの位置)は

Rp.35,000,000/Day (日本円で30万円くらい)

です。
1週間貼るとなると、250万円くらいです。
実数で比較すると日本の純広と比べれば安いですが、インドネシアの相場を考えるとなかなかいい金額です。
PPC広告だと日本と比べて5分の1から10分の1 で出稿できるので。

ちなみに、この枠は掲載面保証ではありますが、インプレッション保証はしません
土日はトラフィック落ちるので、料金が安くなったり、純広入っていないことが多いですね。


◆Kompas.com ( http://kompas.com/ )

 


インドネシア唯一の全国紙のWeb版。 Kompas Gramediaグループ。
こちらも、ジャンルによって様々なサブドメインが切ってある。
去年までは唯一アドネットワークに売れ残りを流さないで純広で頑張っていた大手メディアですが、
今年は在庫を開放してしまいました。TOPページの在庫までも(笑)

PV: 120,425,505  (May/2013)
UV: 18,902,385  (May/2013)

こちらの広告メニューもTOPレクタングルだけ参考までに。

Rp. 28,490,000/Day (日本円で25万円くらい)
1週間買えば175万円です。 
こちらもインプ保証はしません。


トラフィックはDetikの方がKompasより多いですが、広告メニューはKompasの方が多いです。

Kompas のリッチメディア広告をいくつかご紹介します。

TAG AD

FOLDED AD

ABSORB


PEEL AD


Synchronization


 PAGE OVERLAY


SITE TAKE OVER



ちなみに、私の知る限りインドネシアで最も高い純広枠YoutubeMastheadで、
10月に値上がりした金額で $15,500/Day です。

Masthead LEXUS



ADNW

GDNをはじめ、有名なアドネットワークがいくつかあります。
DSPもようやく出始めておりAdExchangeでの取引も始まっています。

特徴としては、Googleの在庫が圧倒的に多く、他ADNWが独自の在庫を持っていることが少ないです。
他ADNWはDSPでADXの在庫を買い付けている状態です。
その代わり単純なバナー配信と言うわけではなく、リッチクリエイティブで出稿できることがウリです。


参考までに2013年7月の ComScore のインドネシアでのDisplay Adのリーチ率のデータの一部をちょっとだけ。


GDNで Total Audience の90%にリーチできるとのこと。恐るべしGoogle。
2位以降はADX在庫をDSPで買い付けている会社が並んでいます。
有名メディアでGoogleがカバーできていないのは、Yahoo!くらいでしょうか。


それぞれのADNWの特徴を書くとかなり細かくなるので割愛します(笑)
知りたい方がいればご連絡ください。



インドネシアのDisplay広告の今後


純広告

安売りをしたり、ADNWにいい面の在庫をはかずに、リッチクリエイティブなどのメニュー開発を行い、 
純広でしかできない商品を売ってプレミア感を保つべき

また、今後 広告出稿の一元管理、アトリビューション分析をするクライアントも出てくると思うので、
3PAS での広告配信対応も必要になってくる。


ADNW

しばらくはGDNが最強ネットワークであることは間違いない。しかし、Googleはインドネシアでは開放していないメニューもいくつかあるので、そこは早くリリースすべき。(というか、してほしいw)

GDN以外のADNWは、エクスクルッシブな在庫が持てれば強いが、あまり現実的ではないかも。
なので、Googleにはまだできないこと、例えば リアルな店舗データを取り込んでデジタルの広告配信に活かす(Xrostみたいな)が出来れば、差別化がはかられて生き残り続けると思う。まだまだ先かなぁ。。。

2013-09-15

インドネシアのネット普及率は何パーセントなのか?

インドネシアでネット系ビジネスを始める方であれば一度は調べたことがあると思われる
「ネット普及率」に関しての投稿です。

日本であれば総務省など信頼性のある機関からのデータがありますが、
インドネシアでは出所によって数値にバラツキがあります(笑)


さまざまな出所からの数値をご紹介します。派生するデータも一緒に。


①The Internet's New Billion (THE BOSTON CONSULTING GROUP)

こちらはBCGのインドネシア内では良く知られているレポートですね。
大手Webメディアがインドネシアネット普及率を説明する時もここのデータを使ってたりします。

ただし、難点はちょっとデータが古い。 Sep 2010に書かれたレポートなので3年前です。


インターネットユーザー数、普及率


インドネシアのネットユーザー数(全デバイス)
2006年:2,000万人
2009年:3,100万人 普及率:12%
2015年:9,400万人(予想) 普及率:37%

2015年で1億人弱まで増えればすごい成長ですね。
住んでる肌カンから言うとそんなに伸びないんじゃないか、って感じです。
Androidがさらに出回って、モバイル回線が整えば可能性はありますが。

インドネシアのPC台数、普及率


2006年:600万台
2009年:1,100万台 普及率:5%
2015年:3,800万台(予想) 普及率:15%

うーん、PC普及台数少ないですね。。。
ジャカルタのオフィス行くと普通に1人1台PC使っているので、こんなに普及率低いものか と疑いたくなりますが、訪問先はみんなネット系の人たちだからかな(笑)


インドネシアのモバイルSIMカード数、普及率


2006年:6,900万枚
2009年:1億6,600万枚 普及率:66%
2015年:2億7,400万枚(予想) 普及率:107%

こちらはモバイルユーザー数ではなく、SIMカード販売枚数です。
1人で数枚使う人も多いので、ユニークユーザー数はもっと少ないです。


インターネット利用目的


他国と比べて特徴があるところをピックアップすると

1. Social networking (58%)
  SNS大国です。FBは世界4位、TWは世界5位のアカウント数です。ジャカルタは世界で一番ツイートが多い都市だそう。

2. Forum (33%)
  昔のブログにも書いた、Kaskusの威力が大きいかと。 CtoC での売買がされていたり、日本の2ch見たいなスレッドがたくさんあります。ちなみにjkt48で検索すると、1,500以上のスレがあります(笑)

3. Job hunting (20%)
  LinkedInがビジネスマンの間で浸透しています。インドネシアでは240万人の登録数です。(SE Asiaで最大)



②Internet Media Habits Decoded (Yahoo! Indonesia)

 こちらはネット普及率ではなくメディアリーチのレポート
2009年のデータなので古い & ネット会社のレポートなので楽観的に見ているところも多い気がしますが、参考までに。

性別・SES別 メディアリーチ


なんと、A1層へはRadioよりインターネットが上だと。
というかテレビ最強(笑)


年齢別 メディアリーチ


15-19歳は新聞よりネットの方がリーチできる。
どこの国も若者の新聞離れはあるみたい。

ちなみにRadioのリーチ率が高いのは、ジャカルタのひどい渋滞の中で車内でラジオを聴く人が多いから。



③International Telecommunication Union

こちらはデジタルデータだと世界的に有名な機関で、よくソース元になっています。

ネット普及率


こちらのデータではBCGよりも低い数値ですね。
2009年 BCG 12%に対して ITUでは 7%
ちなみに2009年のITUデータのソースは Ministry of Communication and Information Technology だそう。

うーん、何でこんなに開きがあるのだろう。。。


④Mark Plus

インドネシアの最大手マーケティングコンサルティング会社
創業者のHermawan Kartajaya はコトラーと一緒に「MARKETING 3.0」を執筆した人。

ネット人口


2011年で5,500万人がネット利用で全体のの22.1%。
ITUが同年18%なので、ここでも若干開きがある。。

最新データ2012年は6,100万人がネット利用者。割合にして25%

⑤eMarketer

こちらは世界中のデジタルデータのマーケットリサーチをしている会社。

ネット人口、普及率


2011年データで43M17.5%。ITUの18%とほぼ同じ
2012年データは約60M24%。こちらはMark plusの12年データ61.1M、23.5%とほぼ同じ
2015年予想はBCGの94Mの37%とほぼ同じで、93.4M36.5%


スマホ人口、普及率


先のBCGはSIMカード販売台数でしたが、こちらはスマホの販売台数です。
2013年は3,800万台で人口の15%が利用予想。自分の想像より高いです。


⑥Google 




ネット人口、普及率 2012年 5,840万人(24%)
スマホ人口、普及率 2012年 2,160万人 (9%)

Mark plus, eMarketerのデータとほぼ同じ。どうやらこの近辺の数値が信憑性あると言えそうな感じです。

⑦comScore


ネット人口、普及率 2012年 4,700万人(19%)
他と比べて若干低いですね。インドネシアであれば5%は誤差の範囲内と言っちゃいそうですが(笑)

comScoreは面白いデータも出していて、インドネシアのDisplayAdのKey Measuresがあります。
最新の Jul 2013 のデータより。

TOTAL UV 1,362
 つまり今年の7月はディスプレイ広告で1,362万人にリーチできたということ。
 総人口で割り戻すと5%。。。うーん、少ない(笑)
 ディスプレイだけではなく、サーチや動画の広告もあるのでデジタルでのリーチはもっと高いけれども。

参考までに、上記の1,362万UVのうち、Googleがカバーしている数は1,228万人 (90%)
圧倒的な強さです、Googleは。



⑧おまけ ネット接続スピード (Akamai Report)


2012年で6,000万人くらいがネットに接続しているインドネシア。
インドネシアでネット接続したことがある人はほとんどが「ネット遅いな~」って言ったことあると思います(笑)

どれくらい遅いかを Akamaiのreportからデータで見ます。
Akamaiは世界最大手のコンテンツデリバリネットワーク (CDN) で全世界のトラフィックの15%~30%くらいさばいているとか。


Avg. Connection Speed

 日本平均 11.7Mbpsに対して、インドネシア1.5 Mbps。平均およそ8分の1のスピード。

Broadbandの割合


> (左)10Mbpsの割合:日本43%に対して、インドネシア0.2%
> (右)4Mbpsの割合:日本79%に対して、インドネシア3.7%


やはりインフラが貧弱ですね。
インドネシアのネットサービスの成長スピードはBiznet、FirstMediaにかかっているかもしれません(笑)

 

まとめ

長くなりましたが、纏めます。

2012年 インドネシア ネット人口は約6,000万人(全人口の24%)
2015年には1億人弱まで伸びる予想


インドネシアのデータはソースによってまだ数値のばらつきが多い。
誤差を許容する寛容な心が大事かもしれません(笑)